いま、滋賀県湖南市吉永の三雲城址に向かう山中にある、大きく二つに割れた岩がSNS上で話題となっている。それはまるで『鬼滅の刃』に登場する主人公の竈門炭治郎が切った岩のようだというのだ。驚くべきは実際に現地で「炭治郎が切った岩」と看板を立て宣伝されていることだ。
割れた石を全て炭治郎が切った岩にするという感覚、空海が杖をついて湧水を出したという伝承と似ている気がする。 pic.twitter.com/i2jlL86h8Z
— 美兎子 (@bitoko46) July 11, 2023
『鬼滅の刃』で竈門炭治郎が修行中に大岩を一刀両断するシーンから、実在する二つに割れた岩を作品になぞらえ聖地にするこの現象、実は奈良市柳生町にある芳徳禅寺の東南、天乃石立神社に安置されている一刀石や須坂市坂田の坂田山共生の森にある竜の割石など、全国各地で複数目撃情報がある。
コスプレイヤーなど、作品の世界観に浸りたい、再現したい人にとってはありがたい場所であることには間違いないが、このように看板まで立ってしまうと本当だと信じてしまいそうになる。
SNS上では「遠い未来、炭治郎は実在の人物か否かの論争が始まる」「百年くらいしたら空海や役小角の逸話と同格で語られてそう」「伝承だけが残ったりしそう」「キャラクターそのものを出さず市松模様を何となく添えてみたり、炭治郎だけ(竈門を付けない)だったり、権利対策もバッチリ」「このメンタル見習いたいような見習いたくないような」「使える物は使おう」など様々なコメントが寄せられている。
今回の炭治郎に限らず、世界中の偉人ゆかりの地はこうやって伝説が現地の人によって作られ、いつしか本当かどうかも分からなくなってしまった箇所が多いのかもしれない。
ここはそれを目の当たりにすることができる、面白い名所なのかもしれない。