『美少女戦士セーラームーン』に実はかつてアメリカ版を制作する計画があり、幻のパイロット版映像が存在することがYouTuberの尽力により明らかとなった。
1994年に制作されたそのパイロット版映像がこちら。
■Official Saban Moon Pilot Episode (1994) Toon Makers Sailor Moon
このパイロット版はアニメーションと実写を組み合わせた斬新な内容となっており、セーラームーンとタキシード仮面が月で愛を誓いあうところから始まる。さらには、セーラーマーズ、セーラーヴィーナス、セーラーマーキュリー、セーラージュピターといった面々も登場している。
このアメリカ版『美少女戦士セーラームーン』は、当時の日本での爆発的な人気を受けてアメリカのアニメーションスタジオであるToon Makersと『パワーレンジャー』のプロデューサーたちが、1993年に企画したようだ。しかし、このパイロット版でお蔵入りとなってしまい、更には1995年にToon Makerが『セーラームーン』の権利を入札できず、結果的に日本版のアニメが英語吹き替えで放送されるに至ったようなのだ。
そのまま行方が分からなくなっており、映像を探すファンも多数いたがこれまで発見されてこなかった。しかし、今回YouTuberでジャーナリストのRay Monaさんがアメリカ議会図書館に存在することを調べ上げ、アメリカのバンダイの社長フランク・ウォード氏に許可を得たことで、図書館に映像を公開するためのリクエストを提出。彼女のYouTubeチャンネル内で公開されたようだ。
■Finding Saban Moon: The Western World of Sailor Moon (Part 2) | Tales of the Lost
こちらが今回、映像が発見されるまでをまとめた2時間超のドキュメンタリー映像。
かなりアメリカナイズされたセーラームーンだけに、これが全米で放送されていたらどのような影響があったのだろうか。その後の海外からの日本のアニメ人気にも大きな影響を与えていそうな出来事であったことは間違いないだろう。