現在、世界各所で研究開発が進められている人工眼「バイオニック・アイ」。小型ビデオカメラでとらえた映像を電気信号に変換し、目に埋め込んだ電気刺激装置を通して脳に伝達する最新技術である。これにより、盲目の患者はぼんやりと光や像が見えるようになるのだ。
現在68歳のAllen Zderadさんは、「バイオニック・アイ」によって10年ぶりに視力を回復することができた。徐々に視力を失っていった彼は、最終的に非常に明るい光しか感知できない視力状態となっていた。そのため、自分の愛する妻の姿はおろか、失明後に生まれた孫がどのような姿であるかも知らずに生きてきたのである。
妻や家族の顔をもう一度目にしたい…そう願い続けたZderadさんが、バイオニックアイを付けた瞬間の動画がこちら。
「目が見える」喜びに興奮を隠しきれないZderadさん。10年ぶりに見る妻の姿に感動し、涙まじりに抱き合い続けた。その姿を見守る親族もまた、喜びの涙を流す結果となったのである。
このように、医学の進歩によって人生に新たな希望の光を見出す人が増えることは、周囲の人々にも大きな幸せをもたらしてくれる。
同時に健常者にとっても、今見えていること、歩けること、ご飯が食べられることなど、普段は当たり前に感じていたことの幸せを、こういった事例を通じて改めて実感出来るのではないだろうか。