スタンリー・キューブリック監督が映画『2001年宇宙の旅』のラストを解説する音声が見つかり、映画ファンの間で話題となっている。
1968年に公開されたSF映画の金字塔『2001年宇宙の旅』。キューブリック監督の代表作のひとつにして、公開当時にして極めて斬新な映像美と演出は、後のSF映画に多大な影響を与えた。
一方で話の筋が難解だ、と感じた人も少なくないのではないだろうか。特にエンディングに向かっていくなかで説明が抑えられていることから、結果的にどういった話なのか理解できなくなってしまう傾向にある。
そんななか、キューブリック監督自身が、本作のエンディングについて解説する動画がYouTubeに掲載され、エンディングの意味するところが明らかとなったのだ。
しかもインタビューしたのは、UFO研究家の矢追純一氏である。この動画は、1980年当時に人気だった深夜番組『11PM』のために撮影されたものですが、企画がお蔵入りしてしまったようなのだ。その時の映像をUFO研究家である故ウェンデル・C・スティーブンス氏がコレクションしており、2年前にeBayに出品されたことで落札者がYouTubeに映像をアップしたのだ。
なお、キューブリック監督が語ったラストに対する解説は以下の通り。
映画公開以来、解説するのを随分と避けてきました。アイディアを口にするのはなんだか馬鹿げているような気がするので。
あのラストは、ボーマン船長が神のような無形の純粋なエネルギーをもった知的生命体に取り込まれた、というアイディアからきています。その知的生命体はボーマン船長を人間動物園のようなものに入れて観察していた、そして船長の全人生があの部屋を通過し、彼は時間を超越した存在になったのです。
あの部屋はフランスの建物を不正確に再現しています。それは知的生命体の考える、人間にとっての良い環境が作られているからです。人間が動物園を設計する際に、人間が考える動物にとっての自然環境を再現しようとするのと同じです。
そしてボーマン船長の命が尽きた時、彼は何かしらの超越した存在に変化して地球に戻ります。地球に戻った後のことは想像するしかありません。
これぞまさにお宝映像。キューブリックファンはぜひ若かりし矢追純一氏の姿とともに堪能してほしい。
なお、こちらが『2001年宇宙の旅』のエンディング。感動が蘇ってきたという方は、改めて本作を鑑賞しなおしてみてはいかがだろうか。