街なかに巨大なうさぎが現れたら…うさぎ好きには面白い、不思議なアートをご紹介したい。
タスマニアに拠点を置くインフレータブルアーティスト(バルーンアーティスト)のAmanda Parerさんは、ニューヨークに拠点を置く共同プロデューサーのChris Wangroとともに巨大なうさぎのバルーンをふくらませるアート「THE INTRUDE」シリーズを公開し続けている。
なぜうさぎのバルーンを膨らませているのか…単にうさぎが可愛いから、という訳ではなく、Amanda Parerさんが過ごしてきたオーストラリアではうさぎは深刻な問題を抱えているからだ。
ウサギはオーストラリアでは外来種で、イギリスの地主が狩りを楽しむために持ち込まれた動物である。しかし国内でペットとして飼われているものを除けば、うさぎは天敵が少ないためその数を増やし、今では害獣として扱われているのだ。
Amanda Parerさんはそういった文化的な矛盾を啓蒙するために、このバルーンを展示しているのだ。
可愛いからと吸い寄せられてしまううさぎのバルーンたちも、そういった人間の心にひそむエゴがうさぎの命や国の生態系を脅かしているという、強烈な皮肉となるようだ。