原作者 大友克洋自身が監督をつとめ、その独創的な世界観でジャパニメーションの金字塔として国内外で強い人気を誇るた伝説的作品『AKIRA』。
なかでも、主人公の金田が乗るバイクは自分用にカスタムされており「ピーキーすぎる」と本人が語るなど、作品内でも象徴的な存在だ。
その金田のバイクを2020東京オリンピックのタイミングに合わせ、現代的な視点で再設計したあるデザイン画像が、かっこ良すぎるとアニメファンの間で話題となっている。
この金田のバイクをデザインしたのはアメリカ在住、ソニーサンタモニカスタジオのコンセプトアーティストRyan Hong(ライアン・ホン)さん。
再設計するうえで重視したのが空気力学とのことで、前輪の開口部から入ってくる空気をボディの側面に向け直し、ヘッドライトの周りのポケットは上部バッテリーを冷却するための空気取り入れ口として機能させている。
また、バイクには下部固定バッテリーユニット1つと交換可能なバッテリーセットを2つほど側面に配置。交換可能なバッテリーセットは、独自の熱換気経路も兼ね備えているようだ。
これによってライダーは両方のバッテリーセットを過熱するリスクを低く抑えながら、バッテリーの使用量をより細かく制御可能になる設計にしたとのこと。
さらには、スピードに対するニーズを満たすため、窒素タンク冷却の概念を導入。デュアルモーターを非常に高いRPMで冷却し続けることが可能だ。
ちなみに原作同様真っ赤なデザインのバイクだけでなく、漆黒のバージョンもデザイン。
これらバイクは現代的な視点でビジュアルとメカニズムを再解釈し、原作の雰囲気の良さを損なうことなく新たな息吹をもたらした、素晴らしいデザインなのではないだろうか。